2008年7月16日 (81日目)M7、856Km

昨晩は自分の寝たソファの反対側で数人が酒を飲んでいて騒がしく、その上に川辺に近いためか蚊が多く良く眠れなかった。そして午前2時くらいにはもう明るくなりかけていた。その時に起きて外側のドアを閉めたら蚊が少なくなったようで暑かったが休む事ができた。

(左:標識にはロシア語と英語)

今は8時前だが出来たら早く出たい。8時過ぎに下の階のカフェに行ってみるがニコライが何処に寝ているのか誰も知らなかった。2階のカラオケに使っていた部屋を開けてみると俺から金を受け取ったイゴールが寝ていたので申し訳なかったが起こして自分の自転車を小屋から出して貰う。準備をしているとニコライから電話があり、今から会いに来ると言う。下で待っているとニコライは俺が未だ昨晩寝た場所に居ると思って2階に上がってしまった。俺がモスクワに急いでいるのを知る余地もないので、俺は未だ起きたばかりと思ったのであろう。その後、ニコライの仕事場の近くに職員用の食堂があるとの事で、連れて行ってもらった。そこではお粥のようなものを頂いた。ニコライは親切に俺に未だ色々見せたかったようだったが、俺も急いでいるので申し訳なかったが直ぐに施設を出る。既に9時を回っていて、空気は暖かくなってしまっている。

今までの道路も色々であったが、今日の道路は酷かった。道路工事が終えたばかりの区間は素晴らしいが、マーカーで770Km 位と 830Km 位の場所はとても車道を走れるものでは無かったので、砂利の敷かれた路肩を走る。時間が余分に掛かってしまったが、10時間で約100キロ走れたので満足だ。

(右:昼食を取ったカフェ)

昼食は早いと思ったが暑かったので正午位に見つけたカフェに寄る。いつものように玉子焼き、マカロニ、キャベツ等のサラダ、ヨーグルト、ジュース等で済ます。カフェから出る時に入り口近くにあった手洗い場から水を自分の水筒に入れる。するとトラックのドライバは、その水は止めてマガジン(店)で買いなさい、とか言っている。俺にはありがた迷惑だった。どこに店があると言うのだ。俺は今まで何度と無く村の井戸から水を汲み取って飲んできた。この水も大丈夫だろうと思ったが、ドライバの注意もあったので今日は念の為にフィルターで水を濾した。

走ると暑い。АЗС(ガソリンステーション)でスプライトや、小さな村の店でアイスクリームやミルクを買う。とにかく暑かった。



19時位に見つけたカフェの駐車場にてテントを張りたかったので、店の外に居た人に話をすると、恰幅の良い50才位の女性が現れる。いつものような質問に受け答えるが、この女性の態度が明らかにこの店の主と思われたので、食事の後に駐車場にテントを張りたいと伝えると二つ返事で承諾してくれた。

10段くらいの階段を登るとカフェの中は大きく、長いテーブルが7、8個並んでいた。デリみたいに食べ物がショーケースに並んでいた。それとは別にメニューがあり、俺は魚のフライ、マカロニ、トマトときゅうりのサラダと飲み物を注文した。俺の注文を取った若く綺麗な女性は、お金は要らないと言う。

一瞬どうした事かと思ったが、どうやら先の恰幅の良い女性はやはり主だったようで、その若い女性にお金を取らないように伝えたあったようだ。テントを張らせて貰えればそれで良かったが、思わぬ好意はありがたかった。俺には何も出来ないが、以前と同じように紙で鶴を折って差し出すと喜んで貰えた。そうこうしていると女主が現れ、外の看板に私の名前があるでしょ、とか言っている。カフェ・ルババ の「ルババ」は彼女の名前だったのだ。

(左:翌朝テントを片付けた後) (左:カフェ・ルババの入り口、女主の自動車)

日記を店の端のテーブルで書いていると何か飲みたくなり、コーラを買って支払おうとしたら、先の若い女性はルババが支払うからこれも結構です、とかと言っている。こんな事もあるのだ。駐車場のテントなど誰も好まない筈だが、快くOK してくれた上に、夕食まで御世話になってしまった。勿論金銭的にありがたいのだが、厄介がられて居ないのが何よりも嬉しかった。


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