2008年5月24日 (28日目)イルクーツク・エレーナ宅



昨晩はエレーナが戻ってきてから少し話をする。そしてエレーナが夕食を作っている時には、俺にもサラダを作ってくれた。そして12時位になって寝たのだと思う。朝起きてみると9時を回っていた。土曜日の朝なのでエレーナもカーチャも未だ寝ていた。物音を立てないようになるべく静かにしようと思い、ウスリースクの廣田先生から頂いた「地球の歩き方・ロシア」を読んだりした。でも、一向に起きる気配が無い。エレーナはキッチンの電灯が点いたり消えたりすると昨日言っていたので、問題を調べることにした。やはり電球本体の中央の接触が悪かったのだ。電球のソケット側の中央が焦げて黒くなっていたので、黒く漕げた部分をドライバで擦ってから電球を戻す事を何回か繰り返すと電球は点くようになった。(しかし、それも束の間で、夜にはまた点かなくなっていた。)

そして二人が起きてきたのは10時半くらいだった。後で分かったのだが、この二日間程エレーナは休息不足だったのでゆっくりしていたとの事だった。朝食にはカーチャがまた卵を焼いてくれた。その後、コンピュータでインターネットが出来ないと言っていたので、見てみるとスパイウエアがらしきプログラムが入っていて、それらを駆除すると比較的スムーズに動くようになった。 * (具体的には、先にカーチャは近くの店で100ルーブルのカードを買ってきて、そのカードに記された電話番号にユーザ番号とパスワードを入れてインターネットを接続する必要があった。そしてインターネットから www.mlin.net からダウンロードした Start-up Control を使ってみると、幾つかの悪いと思われるプログラムが自動的にスタートするように設定されているのが分かったので、それらを自動的にスタートしないように変更し、セーフモードで再起動後にそれらを駆除できた。ついでだったのでCCleaner と Glary Soft の Registry Cleaner を使ってレジストリもクリーンした。その後で、二人に確認してもらおうと思ったら、Windows は SVCHOST.EXE のエラーで、Internet Explorer をスタートできなかった。再起動後は、問題なくIE をスタートできたので良かったが、一瞬レジストリをクリーンすると同時にIE を壊してしまったかと思った。しかし、SVCHOST.EXE のエラーとIE が時々勝手に閉じてしまう問題は解消できなかった。)

とりあえずインターネットが出来るようになったのでEメールを読んだり返事を送る。恐らくコンピュータに1時間半くらい向き合っていたと思う。久々に本業を発揮できるチャンスだった。

夕方4時か5時くらいに、エレーナは買い物に行くというので一緒に出かけた。俺はアーミーナイフを買いたかったのと、ドル建てのトレベラーズチェックを換金したかった。一週間程前、ある村に差し掛かった際に雪が降り出したのでその村の学校で暖を取っている間に、自転車のバックからMP3 プレーヤーとナイフなど小物を盗まれていたので、絶対に必要なナイフだけは直ぐに買う必要があった。

バスを降りるとエレーナは、バス停前に並んだ小さな店が並ぶ商店街に入って行き、ボタンとベッドカバー用の生地を買った。俺はその間、近くにあった電気屋でコンピュータの部品が並んだショーウィンドウを眺めていた。商品の値段はアメリカと殆ど同じであった。只、CDROMやDVDなどの消費品はまとめてではなく個別に売っていたので、それらは割高に思えた。

別のバスに乗り、今度は大きな建物の中の前でバスを降りる。その中はショッピングモールのように小さなお店が並んでいて、婦人服が中心で次に食材店多かった。その建物は地元の人と一緒でないととても来れない場所だった。その建物の中で、アーミーナイフを売る二つのお店を見つけた。どちらも装備が違う種類のアーミーナイフを売っていたが、自分の以前持っていたナイフと装備が違う。でも選択肢は少ないので妥協してコークスクリューオープナー付きのナイフを650ルーブル位で買った。ワインを飲まない自分には不要であったが仕方ない。支払いは現金が手元に無かったのでクレジットカードで支払った。俺のマスターカードは問題なくロシアでも使えた。エレーナはパンや猫用の餌などを買い、携帯電話の残高を追加する機械で現金を入れていた。エレーナのような人もプリペイドの携帯電話だったので、ロシアでは基本的にプリペイドの携帯しか無いのかもしれないと思った。

バスに乗ってエレーナの家に戻る。バスを家の近くで降りると、昨日カーチャと一緒に食料を買ったお店に行き、また少しの食料を買う。カーチャの誕生日が近いと言っていたのでチョコレートを、そしてエレーナが選んだアイスクリームを買う。家に戻るとエレーナは少し休むと言うので、俺はその間にバスルームの電球を交換した。只、昨日試した時に一つの電球を入れた途端に切れてしまい、全部で4つある電球の全てを点ける事が出来なかった。そして4つあるライトの一つは反射カバーを落ちないようにしているクリップの形状が違っていた。エレーナに後で聞くと、自分で電球を交換しようとした時に、クリップを下水管に落としてしまったとのだという。そのクリップではカバーを抑えられないので、自分が自転車の修理用に持ち歩いている針金を曲げてクリップを作った。次回電球を交換するまで大丈夫だと思う。

エレーナが起きてきてから、もう一度インターネットでEメールをする。その間、エレーナはパスタを作ってくれたので、3人で食事をする。そして食事の後で色々な話をすると、エレーナの両親はエレーナにジャーナリストになって欲しいと願っていたという。それを聞いてロシアでのジャーナリストの社会的地位は恐らく相当高いのだろうと思った。それからエレーナは以前にシベリア地方でビジネスを展開しようとしていた日本企業に勤めたことがあるという。これで俺へのメールの宛先に「さん」が付け加えられていた理由が分かった。それからエレーナは仕事とは別に、お金を取って自分の家をゲストに開放していたのだった。一晩いくらのお金を貰っているか聞かなかったが、CouchSurfing.com を通して泊まったゲストには俺と同じようにお金は請求してないそうだった。自分も幾らかの支払いをした方が良いとは思ったが、現金が足りない。どうしたものか。昨日の話ではエレーナの月給は1万6千ルーブル。恐らくそれは平均的な金額ではないか思えた。

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