2008年5月26日 (30日目)M53マーカー:99Km


朝は9時にセルゲイが迎えに来てくれた。俺はまだ乾いてなかった洗濯物をそれまでに片付けていた。セルゲイはレストランで朝食を食べて下さいという。レストランに戻るとリタに玉子焼きとご飯を作って頂いた。セルゲイは行くところがあるというので写真を撮って分かれた。また、セルゲイは自分はビジネスマンだからと笑って言っていたので、どこか他にも仕事場があったのだろう。そして発とうと思ったら、レストランの事務所の中のPCでインターネットが出来るとの事だったので、イルクーツクでアップロード出来なかった写真をアップロードさせて貰うことにした。

只、そのPCにはデジカメで使っているSDカードを読み取るスロットが無かったが、セルゲイの娘さんマーシャは自宅まで戻ってアダプタを持ってきてくれた。その後、アップロードを試みたがスムーズで無かった。あれこれ苦戦しているうちにマネージャのリタが地元テレビ局に連絡してくれ、インタビューを受けることになった。インタビューワーとカメラマンの二人が来てくれ30分くらいの撮影だった。インタビューワーは若い女性で英語が話せたが、リタが時々間に入ってインタビューを終えた。レストランの外と中での撮影だったのでセルゲイ達には良い宣伝にもなったと思う。マーシャ曰く、明朝のテレビ放送だと言う。ウスリースク、ハバロフスクに続き、残念ながら俺はまたしても自分のインタビューを見ることが出来なかった。


その後で、レストランの職員は昼食にサーモンのフライ、野菜のあんかけ、サラダ、スープ等また沢山の食事を用意して下さった。その後、銀行に行く必要があったのでどの辺かと聞くと、マーシャが近くの銀行に連れて行ってくれた。トレベラーズチェックを300ドル分両替した。手数料は3%だった。もう午後2時を回っていたので、今から走る気がしない。もう一泊したらと言われたら、そうしたと思う。もう一泊させて欲しかった。こんな優しい親切な人達の所から離れたくなかった。でも俺には先に進む必要がある。苦しいが発つことにした。するとセルゲイが丁度戻ってきたので、挨拶できて良かった。ありがとう、セルゲイ。





アンガースクの町を出るのは簡単だったが、向かい風は強かった。全然進まない。幾つかの小さな町を通り過ぎる。甘いものが欲しく、店でキャンディーか何か買いたかった。9時近くまで走って店を見つけたので、その付近にテントを張れたらと思い、店の外で警備に当たっていた人にメモを見せた。イルクーツクのエレーナに書いてもらったもので、この付近でテントを張っても良いですか、と書かれたものだ。しかしその人は一言、駄目だと言った。そこから少し進むと10歳くらいの子供が二人遊んでいたので、話しかけてみる。メモを見せると、この辺の林の中だったらどこでも大丈夫だろう、といった返事が返ってきた。

そこから少し走り、あまりにも向かい風が強かったので林の中でテントを張ることにした。持っていたラーメンを二つ同時に作る。お湯が沸くのに15分くらい掛かった。林の向こう側はフェンスがあり、監視等が見えた。そして時々スピーカーからの声も聞こえた。フェンスの向こう側に何があるのか気になったが、こんなところで問題を起こしたら大変なので、素早く静かにテント入って寝ることにした。この町の集合住宅は入り口に検問があり、他の町の作りとは違っており、今までに無い緊迫感があった。しかし、テントを張った林の中は、M53 の道路上とは全然違い風は殆ど感じられなかった。

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