夕べ結局キャビンには誰も来なかったので、この4等客室には俺だけが停まる事になった。話が出来なくて寂しい半分、勝手気ままに出来るので良かった。
ロスと日本との時差の問題で、やはり目が覚めてしまったか。夜中の2時だった。ロスから日本に行った時に、いつもそうなるので特に驚かない。不安な気持は少し治まったが、何も手に付かないので、朝食の時間になるまでベッドで横になる。
俺は朝食の時間前からレストランの周りをうろうろし、船内を散策。船内のラウンジと思われる場所には、煙草の吸殻入れはあるが、ソファはどこにも無い。海は灰色。綺麗ではないので、ぼんやり眺めるにも気が滅入る。
朝食の8時になると、数人のロシア人が来た。そしてウェートレスはレストランを開けて、俺は夕べと同じ席に着く。特別美味しい食事ではなかったが、夕べと同じロシア人3人と食事する。お互いに言葉が分からないので、話にならない。それに加え、3人は俺に気を遣ってか、静かにしていた。朝食の後、キャビンに戻る。そして横になってロシア語のテレビを見ていると少し寝てしまった。
昼食にレストランに行く。食事の後、ロシア人では無いカップルに気付く。英語で話してみるとスイス人で、旅行中、日本にも立ち寄って、これからロシアを1ヶ月旅行すると言う。男の人はステファン、女の人はエリス。日本にも一ヶ月滞在していたとのこと。若いのに裕福なのであろう。そしてエリスはロシア語を少し話すと言う。自分も少し位のロシア語を勉強すべきだったが、もう遅い。明朝にはロシアだ。
ステファンとエリスとは階段に腰掛けたり、階段の広場にあったソファに座って数時間話をした。夕食時は、一緒に座って話の続きをしたかったが、席が決められているようで、一緒には座れなかった。時々彼らの席を見ると、彼らはロシア人と話をしていた。羨ましい限りだ。でも食事の後、他の客がレストランを出るようになって席が空いたのを見て、彼らの席に行ってまた話を続けた。
レストランを出て俺はキャビンに戻り寝る。明朝はいよいよウラジオストックだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿